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赤ちゃん誕生は素直に喜ばしいことです。未来を担う生命がやって来るのですから。
ですが中には「子どもが産まれた後、自分はパパママとしてきちんとやっていけるんだろうか?」と考える人がいますし、先輩ママから「子供が産まれたら寝る時間も自分の時間もないよ」と聞いて、果たして自分が24時間頑張れるのか心配になる人もいます。
ママが育児を頑張ってくれると「信じ」て、全然何も心配していないパパもいます。
他にも、待機児童問題や保活の大変さの話も聞いて神経質に感じる人。
赤ちゃんを尻目に、両親・義両親とママの間で育児方針について意見が割れて、ママがつらい思いをしたりパパが板挟みになったりする話を聞いてウチは大丈夫か心配する人。
情報が溢れる世の中だからこそ、まぎれもない現実を赤ちゃん誕生後から直接関わる人たちに向けてお伝えしたいと思います。
妊婦、産褥期の人、パートナー、両親、義両親、その家族すべての人に役立つ、出産後の現実を紹介していきます。
産後1ヵ月の期間にありがちな悩み、疑問
ここでまず赤ちゃん誕生後について、よくある悩みや疑問を整理しておきましょう。あなたの疑問はどれに近いですか?
育児ってどれくらい大変なんですか?
母乳って産後すぐ出るものですか?
新たな育児生活を順調にスタートするには今から何をしておけばいいの?
産後の妻のために夫としてできることは何でしょうか?
祖父母として産後の娘と孫のためにできることは何でもするから!でも何をすれば…?
育児は母親がするもの。自分が今更何を知るべき?
産後1ヶ月の悪露ってどんなものですか?
産後1ヶ月は腹痛があるらしいけど本当ですか?なぜでしょうか?
などなど
上記の疑問を解消するには、産後ママの「体の変化」「心の変化」「赤ちゃんの学び」「赤ちゃんのお世話の必需品」を知っておきましょう。
そうすることで、いざ本番、対応に困って立ち止まりかけても、落ち着いて行動できます。
これが現実。産後ママの「体の変化」とは?
出産した当日から産後1ヶ月の間に起こるママの体の変化を時系列で押さえます。
産院からの指導内容や順番に関しては産院によりますので目安としてください。
〈出産当日〉
赤ちゃん出産後15〜30分ほどして軽い陣痛が再度起こります。
役割を終えた子宮内の胎盤(母体から赤ちゃんに酸素や栄養を送り込む大事な臓器)が子宮からはがれ落ち、血の塊になって外に出されるのです。
その後は、会陰(膣と肛門の間の部分。
赤ちゃんが外に出る時に伸びるが一般的に7〜8割の妊婦さんは赤ちゃんと母体の安全のために切開される)の自然裂傷や切開した傷があれば縫合して処置してもらいます。
出血※に備えてお産用パッドを当てて、産後2時間ほど分娩台で安静にします。
その間に血圧や出血状況を確認されます。異常出血やママの体調に変化が起きやすい時だからです。
分娩台の上で初めての授乳やカンガルーケアを行う場合も多いでしょう。
カンガルーケアとは早期母子接触です。
産後初めてのトイレは助産師さんと一緒に行きます。
貧血がないか排尿できるかなどドアの外で質問されたり、緊急時のブザーの位置も教わったりします。排尿時に会陰の傷がしみて痛み、排尿時間がかかることがあります。
この日は出産疲れを取るために赤ちゃんとは別室で休む場合が多いです。
※出血とは悪露(おろ)のこと。子宮壁や産道の傷からの出血、子宮の脱落膜が混ざり粘り気のある分泌物。量が多すぎても少なすぎても心配な場合があります。
〈産後1日目〉
出産疲れが抜けきらないのでなるべく休みつつ、赤ちゃんのお世話がスタートします。
たくさんの赤ちゃんのお世話に慣れている助産師が指導します。
医師が回診するか、助産師さんが子宮の戻り具合、悪露の色や量、乳房の張りなどを確認します。
問題がなければ母子同室で赤ちゃんのお世話が始まることが多いです。
助産師さんから指導があるのはおむつの替え方、授乳指導、着替え方などです。
この日とは限りませんが、ミルクの作り方を助産師さんではなくミルクメーカーの人から教わる産院もあります。
体の回復が順調なら出産当日、またはこの日にシャワーを浴びることができます。
〈産後2〜3日目〉
赤ちゃんをお風呂に入れるやり方を教わる沐浴指導があります。
メモを取ったり実践したりしてコツを掴んでください。
医師の診察で、貧血の有無、尿検査、子宮の戻りを確認する超音波検査、会陰の傷の回復具合の確認などがあります。
問題がなければ早くて翌日の退院が決定します。
〈産後4日目または退院当日〉
退院準備と身の回りの荷物整理。
1ヶ月後に健診があるのでなるべく入院中に予約しておきます。
赤ちゃんの診察で黄疸(肌が黄色っぽくなる)の有無や体重測定などがあります。
赤ちゃんの体調によっては赤ちゃんだけ入院延長する場合もあります。
時系列にできない産後に多い「体の変化」
赤ちゃんの吸う力が予想外に強くて、乳首が切れたりこすれたりして痛んで授乳が困難。
おっぱいが張る
母乳が出ない
会陰切開の傷が痛む
痔でトイレがつらい
悪露が多い
むくみがひどく、歩くのが困難
寝不足と疲労感
貧血
腰痛、恥骨痛、尾骨痛、股関節痛になる
お腹が思ったよりすぐに引っ込まない
がよくあります。
乳首のトラブル
授乳指導で正しい抱き方と吸わせ方をしっかり確認してください。
ママが正しい姿勢で深くくわえさせる、
乳首の保湿とほぐしをしておく、
少ししぼってから授乳開始する、の3点がポイントです。
おっぱいの張り
赤ちゃんに吸わせて乳腺を開通させることと、正しい姿勢での授乳が大事です。
母乳の悩み
母乳が出なかったり赤ちゃんが飲まなかったりする悩みについては、産後すぐにたくさん母乳が出る人はまれです。
赤ちゃんも母乳の吸い方を徐々におぼえていくものです。
ストレスを抱えず「最初はこんなものだ」と割り切って諦めずに続けることと、首と手首と足首を温めて血行を良くすると血液が源である母乳が出やすくなります。
会陰の傷の痛み
産後2日間がピークで1週間ほどで痛みがなくなります。
それまでは大きめの円座クッションにゆっくりゆっくり腰掛けることです。クッションが薄ければ2個使いしても良いです。
またお産パッドはこまめに取替え、シャワー時はお湯のみで優しく洗いましょう。トイレでいきんでも傷が開くことはありません。心配しすぎなくても大丈夫です。
痔の悩み
出産のいきみで肛門がうっ血していぼ痔になることがあります。産前から痔がある人は産後に悪化しやすいですが、産後1ヶ月ほどで和らぐのが普通です。
体を温め血流を良くすることで痔が緩和されます。また患部を清潔にするよう心がけてください。痛みがつらい時は塗り薬を処方しますので相談しましょう。
悪露の多さ
出産後1ヶ月ほどは膣から悪露が排出されます。産後2日間は生理よりずっと多い出血量で色は暗い赤で、お産用パットを当てます。
悪露の量や状態は、医師や助産婦が子宮回復の具合を判断する手掛かりになります。
産後3日から2週間は子宮の回復に伴い悪露の量は減り、茶褐色に変わります。
産後3〜4週間は徐々に黄色や白に変わり治まっていきます。
トイレにこまめに行き、もしレバーのような塊が出たり急にサラサラした赤い血が出たり、においが変わったなどがあれば助産師さんに相談してください。
むくみ
産後2日目以降からが一番ひどく約1週間で落ち着きます。増加した血液を一気に排出しようとするので産後はむくみやすいのです。
体重増加が著しかった人や貧血気味だった人ほどむくむ傾向があり、歩行困難や睡眠障害、靴が履けないほどパンパンになる人もいます。
足を高くして寝る以外に着圧ソックスやフットバス、マッサージで緩和しましょう。
寝不足や疲労感
出産時にいきみ過ぎて全身筋肉痛になる人もいます。
後陣痛(こうじんつう)といい、特に授乳中や授乳後に子宮が元に戻ろうと強く収縮する痛みが、寝不足や疲労感につながることもあります。
2人目以降出産の人が後陣痛を強く感じやすいです。あまりに痛い場合は痛み止めを処方してもらえるので申告しましょう。
貧血
分娩時の出血が原因で貧血になり疲労感につながることもありますので、貧血傾向の人は妊娠中から予防すべきです。
産後の貧血で院内の廊下を歩くのに一苦労だった人もいます。あまりに重い貧血は輸血もありますが、大抵は造血剤治療です。軽い貧血は食事や鉄剤で鉄分補給します。
腰痛、恥骨痛、尾骨痛、股関節痛
出産時に骨盤が広がることで腰痛が悪化したり、新たに腰痛になることもあります。
赤ちゃんが母体から出る時に尾骨骨折や、恥骨の結合部分と股関節が開き過ぎで痛む場合があります。産後に骨盤ベルトで矯正すると緩和されます。尾骨骨折は自然にくっつくまで痛み止めを使います。
その他のトラブルとして、発熱、頭痛、尿もれがあります。
発熱
出産で傷ついた産道や子宮内の傷が細菌感染して発症する産褥熱(さんじょくねつ)は、産後2週間以内に38度以上の高熱になります。
また尿路からの感染で膀胱炎や乳腺炎による高熱もあります。
治療は、抗生剤の点滴や内服です。退院後の発熱は1ヶ月検診前でも早めに受診してください。
頭痛
原因は多岐にわたります。貧血、寝不足、肩凝り、帝王切開の麻酔の副作用、高血圧、妊娠高血圧症候群の後遺症などです。
頭痛があればすぐ助産師さんに相談しましょう。頭痛薬で様子を見ることもありますが、血圧が高い、痺れ、目のチカチカなどの症状が見られれば緊急対応になります。
尿もれ
出産時に骨盤底筋群に負担がかかり尿道の締まりが悪くなることで起こります。
他に、膀胱や尿道の知覚障害で、尿意を感じないことや、尿が出ないこともありますが、基本的には時間が経てば治ります。
骨盤ベルトで骨盤を安定させて筋肉の締まりを良くすることで、改善しやすくなります。
これが現実。産後ママの「心の変化」とは?
産後のママの体内では目に見えない急激な変化が2つ起きています。
1つ目の変化は「エストロゲン」です。
エストロゲンとは女性らしさを司る女性ホルモンの1つで、妊娠期は子宮とおっぱいを大きくするなどの働きをして、胎児を育てる役割を果たします。
妊娠中はエストロゲンの分泌が増えますが、産後はホルモンバランスが変わりエストロゲンが急減します。
するとママの脳内で、心のバランスを整えるセロトニンなどの脳内物質も弱まり、不安や孤独を感じやすくなります。
そんな中、慣れない赤ちゃんのお世話と、睡眠不足などの生活リズムの乱れも重なって、産後すぐの気分の落ち込み=マタニティブルーになるのです。
他のママやお姑さんと比べてうまくお世話できない焦りや、母親としての自分に対する不安を感じるのは当たり前。突然母親として完璧になれるはずもありません。
マタニティブルーは多くのママが経験しますが1〜2日、長くても2週間程度で治まります。もしも、それ以降も気分の落ち込みが続く場合は産後うつかもしれません。長引くと1〜2年続くことがあり不眠や食欲不振、育児への悪影響につながるので兆候があれば心療内科へ相談することになります。
他の2つ目の変化は、産後の育児に重要なホルモン「オキシトシン」です。
これは出産時や授乳時、子どもと触れあっている時などに多く分泌され、脳に作用し子どもやパートナーへの愛情を強める働きをします。
ただしその一方、オキシトシンには他者への攻撃性を強める作用もあり、(例え夫であっても)育児に非協力的な人に対して攻撃性を強める働きもします。これが「産後の危機」や「育児クライシス」と呼ばれ子どもが0〜2歳の時の離婚原因になりやすいのです。
このように体内の変化が起こるので、パートナーであるパパに出来ることは、目を見てママの話を聞いてあげることです。赤ちゃんの祖父母は、昔の育児方法と今の育児方法は違うのだと大らかに考えて、ママのやり方を否定しないで見守ってください。
これが現実。誕生後の赤ちゃんは勉強中
『これが現実。産後ママ「体の変化」とは』の中で赤ちゃんも母乳の吸い方を徐々におぼえていくものと書きました。
赤ちゃんはこの世に生まれた後は、生きるために母乳の飲み方や助けの求め方、抱っこやお風呂などのお世話をされる順番を徐々に覚えていきます。
ママの母乳の出を良くするために夜中に起きてママの母乳を刺激することも今後はしてくるでしょう。赤ちゃんには赤ちゃんの仕事があるのですね。
生まれた時は視力0.01〜0.03くらいで、抱っこしてもらうくらいの20〜30cmが良く見える程度です。
急に抱っこされるとびっくりするので、目を合わせて「抱っこするよ」と声掛けをしましょう。
また生きるために最も頼るべきママの存在を匂いで嗅ぎ取ります。だからおっぱいの場所がわかりますし、ママ以外の人の体臭もわかると言われています。耳も、ママと他の人の声を聞き分けられると言われていますので、急に大きな音を出さないようにしてあげてくださいね。
入院中のママと赤ちゃんと面会をする家族は、産院の面会時間を守り、産後の体と心の変化を理解して、長居をせず短めにママにも赤ちゃんにも負担をかけないよう気を配ってあげましょう。
赤ちゃんのお世話の必需品
必需品はいくつもありますので状況別に挙げます。
〈授乳時〉
授乳クッション、ガーゼ、クッション。ガーゼは赤ちゃんがむせた時に備えてママの首近くに当てておいたり、母乳の吐き戻しをぬぐうために必要です。柔らかい高級ティッシュもあると便利です。クッションは授乳クッションで高さや位置を調整できない場合があるので用意しておくと便利です。バスタオルで代用もできます。
〈おむつ替え〉
おむつ、おしりふき、おむつ替えマット、蓋付きゴミ箱。おむつは1日最低10枚前後必要です。おしりふきは濡らしたカット綿で代用しても良いです。おむつ替えマットはおしっこやうんちもれを予防しますが、防水シートでも構いません。蓋付きゴミ箱は、使用済みおむつが意外とにおうので必須です。
〈沐浴〉
ヘビーバス、ガーゼと沐浴布、ベビーソープ、洗面器、湯温計、ベビーバスタオル、着替え、レジャーシート。ガーゼと沐浴布は、赤ちゃんの顔拭きと体を拭くためです。洗面器は沐浴中のお湯が冷めるので少し熱めのお湯を足す時用です。レジャーシートは床濡れ防止なので防水シートでも可。
〈着替え〉
肌着とウエア。前開きタイプで、赤ちゃんの肌に優しい素材を用意しましょう。
〈爪切りとおへそのケア〉
ベビー用綿棒、ベビー用爪切り、おへその消毒液。ベビー用綿棒はおへそケア用に。消毒液は産院でもらえることが多いですが、なければドラッグストアでアルコール消毒液を買えます。
産後一ヵ月、産褥期の過ごし方 まとめ
いかがでしたか?
産後に待ち受ける体と心の変化、赤ちゃんのお仕事、赤ちゃんのお世話の必需品があらかじめ分かると安心しますね。
妊婦さんや産褥期のママだけが理解しておけば良い話ではありません。
赤ちゃんを取り巻く大事な身内であるパートナーのパパ、両親、義両親や家族も知っておいた方がワケも分からず慌てる事態を避けられます。
もちろん、産院である程度説明してもらう機会はあると思います。
習うより慣れろの気持ちで、大人たちみんなでドンと赤ちゃんを迎えて育てていきましょう。
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