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出生前診断とは、妊娠9週から22週頃までに受けることができる「胎児の奇形や病気、染色体異常がないか」を調べる検査のことです。
特に35歳以上で出産を迎えるママは高齢出産と呼ばれ、出生前診断を受けることを悩むママパパも増えています。
ママの加齢により、赤ちゃんの脳や体に障害がでたり、奇形となる先天異常の発生確率は高まります。
日本産婦人科学会の調査によると、年齢25歳から30歳で1.8%、35歳から40歳で2%、40歳以上で2.3%の確率で先天異常が起こるとされています。
ダウン症(21トリソミー)も有名な染色体の先天異常になります。
ここでは慎重に考えて欲しい出生前診断について紹介していきます。
出生前診断にはどんな種類があるの?
妊婦検診時に行われる超音波検査や心拍の確認、羊水量などのチェックで疑いが認められると、出生前診断にて詳細検査を行うようになります。
- 羊水検査
- 絨毛検査
- 母体血清マーカーテスト
そして受診可能な方は限られますが
- 新型出生前診断(NIPT)
が挙げられます。
ここでは4つの検査の費用や受診可能時期、そしてデメリットを紹介していきます。
絨毛検査について詳細とデメリット
絨毛とは、赤ちゃんとお母さんをつなぐ胎盤を構成している組織です。
検査方法としては子宮口から細い管カテーテルを入れて絨毛を採取します。
採取した絨毛から胎児の細胞を培養して染色体異常の有無を調べます。
子宮に少なからず刺激を与えることになるので、流産の可能性を少し高めます。
確率としては後述する羊水検査より高くなります。
受診可能時期 | 妊娠9週から11週くらいまで |
---|---|
検査費用目安 | 約15万円 |
わかること | 染色体異常 |
結果判明までの期間 | 約2週間 |
また受診できる施設がまだまだ数が少ないというデメリットもあります。
羊水検査について詳細とデメリット
子宮内で赤ちゃんは羊水に包まれています。
赤ちゃんの浸かるプールである羊水には赤ちゃんの細胞が含まれているので、羊水を採取することで染色体や遺伝子異常を調べることができます。
検査方法としては、お腹より細い針を数十秒指して羊水をほんの少し採取します。
赤ちゃんに影響がないか確認するため、採取前後は超音波エコーで様子を見ます。
絨毛検査と同様に流産のリスクがあり、ほんの0.3%と低い数値ではありますが知っておきましょう。
受診可能時期 | 妊娠15週から18週くらいまで |
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検査費用目安 | 約12万から15万円 |
わかること | 染色体の数や構造、開放性神経管奇形の有無 |
結果判明までの期間 | 約3週間 |
羊水検査は出生前診断の中でも確定診断と言われています。
それでも100%ではないということ、そしてリスクもあることを知っておきましょう。
母体血清マーカーテストについて詳細とデメリット
母体の血液を採取してホルモン量などの成分を分析し、赤ちゃんの染色体や遺伝子異常がどれくらいか確率を調べる検査で、血液中の3種類の成分を調べるトリプルマーカーテスト、4種類の成分を調べるクアトロマーカーテストがあります。
一番検査を受けやすい出生前診断かもしれません。
体への影響も少なく、検査費用もほかの検査と比べて手が届きやすい額です。
ですが、あくまで確率しか判明しません。
受診可能時期 | 妊娠15週から21週くらいまで |
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検査費用目安 | 約1万から2万円 |
わかること | 染色体の数や構造、開放性神経管奇形の有無 |
結果判明までの期間 | 約10日 |
判明するのがあくまで確率なので、陽性が出た場合は確定診断として羊水検査を受ける方も多いです。
確定診断の受診も視野にいれ、妊娠17週までの検査が望ましいといえます。
ですが仮に高い確率の陽性判定だとしても確実ではないのです。その後の確定診断の受診も強制ではありません。
手軽に受けられる検査ではないということを理解し、受診を検討する際は夫婦でよく相談が必要です。
NIPT(新型出生前診断)について詳細とデメリット
母体の血液中に含まれる赤ちゃんの細胞遺伝子情報から先天異常の有無を調べる診断です。
2013年4月から日本でも受診可能となった最新検査となり、誰でも受けられるわけではありません。
新型出生前診断の対象となるママは?
- 35歳以上の妊婦
出産予定日の時に年齢が35歳以上となる妊婦 - 夫婦どちらかに染色体異常がある
- 先天性異常児の出産経験がある
となっています。
また受診可能な病院も限られており、日本医学会の承認をうけた大学病院など専門性の高い病院のみとなっています。
受診可能時期 | 妊娠10週から18週くらいまで |
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検査費用目安 | 約20万円 |
わかること | ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミー |
結果判明までの期間 | 約2週から3週間 |
検査結果が陰性、つまりダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーの染色体以上は起きていないとされた場合は99.9%の確率とされています。
陽性だったとしても染色体異常がある可能性が高いとわかったに過ぎません。
こちらも確定診断の受診も視野にいれ、妊娠17週までの検査が望ましいといえます。
出生前診断のメリットとデメリット、考え方について
検査で陰性とでれば一安心になると思います。
特に高齢出産となり染色体異常の確率が高まるママにとっては嬉しい検査結果でしょう。
でも陽性だった場合のことを、検査を受ける前に必ず考えておかなければいけません!
母体血清マーカーテストにて高い確率が出たとき、その後確定診断はするべきなのか?という葛藤が生まれたりします。
確定診断を受けたとしても100%でもないのです。
陽性と出た赤ちゃんが生まれた時、健康で元気だったケースもたくさんあります。
また一番の問題は、陽性判定だった場合に中絶をするのかです。
非常に重い話ですが、両親が子どもの命を決める行為とも考えることが出来ます。
出生前診断は決して気軽に受診して良い検査ではありません。
出生前診断を受けるなら事前の相談と覚悟を決めてから!
出生前診断で陽性が出た時の覚悟を持って受けるのなら問題ありません。
陰性判定が出れば気持ちも楽になり、出産までの期間も心配せず安心できます。
ですが陽性が出た場合は夫婦としてどう受け止めるのか?
どう行動をするのか?
夫婦で事前にしっかりと相談をしてから出生前診断の受診について検討しましょう。
NIPT新型出生前診断の評判の良い病院を紹介
NIPT平石クリニックでは、全国38委員にて新型出生前診断NIPTの検査をすることが出来ます。
この記事までたどり着いた方であれば、一度真剣に検討してみることをおすすめしています。